梅雨が明けたとたん ヒグラシに蝉の大合唱 本格的な夏になったのを感じますね。
子どもの頃 朝咲いた朝顔の花を集め搾った汁で絵を描いてみた。
画用紙にのせた色は想像以上に淡色。
遠い夏の記憶を思い出しました。
今の季節
朝早い時間の空き地や畦など、
あちらこちらに こんもりと茂って2㎝ほどの鮮やかな青い花を咲かせる
露草(ツユクサ)を見かけます。
明るむころに開花した露草の花は、朝露が消えるころにはしぼんでしまう
はかない花です。布に摺り付けると花の青い色が着くので、着草とも呼ぶ。その他には、ホタル草、月草、鴨せき草、青花ともいい、今は露草と呼ぶのが一般的。どの名前も情緒が感じられ、古くから親しまれた植物のようです。
古くから日本の色名に花色という色名がありますが、この名のルーツは染色の青から由来していて藍染で知られている縹色(はなだいろ)の青色は、元々は露草の花の青色のこと、これを江戸時代に花色と親しんだようです。下絵図の絵の具に使う青花(あおばな)、紺色のしっとりした和紙の由来はここから来ているそうです。
加賀友禅の下絵に使う顔料に露草の花の絞り液、青花(あおばな)があります。
青花とは、大帽子花(オオボウシバナ)という露草の栽培変種で、草むらでよく見かける露草より、背丈が高く大きな花びらは直径4~5㎝の露草にそっくりな植物だそうです。私も実物の花は、見たことが無くて、オオボウシバナをTV番組で知るまでは、畦に茂るこの小さくて薄い花びら何枚集めてるのかな。。と気が遠くなっていましたが、やや安堵。
オオボウシバナの栽培は、滋賀県草津市の湖南地方で江戸時代中期から栽培が始まり、青花紙が作られ友禅染の下絵用として使われていたそうです。
オオボウシバナは、開花期には毎日新しい花を咲かせます。毎朝 咲いたばかりの花びらを摘み取り絞った青い液は、傷みやすいためその日のうちに濃和紙に大きな刷毛で塗っては天日で乾かし、なんと、もとの和紙の4倍の重さになるまで繰り返しの作業で作るそうです。
真夏の厳しい作業で作られる青花紙。そのため生産地では、
オオボウシバナを地獄草、地獄花と呼ばれているそうです。
厳しい環境の中で、青花紙を作られている職人さんに感謝ですね。
正絹の白生地に下絵を写す大切な作業に用いる青花の青色色素は、アントシアニン系の化合物だそうで、水溶性で色落ちしやすく痕が残りにくい特徴があります。なので、キモノの下図を描く時の顔料にピッタリなわけです。丁寧に移しとった下図の青花の青の線は、呉汁(ゴジル)で糸目糊を生地に定着させる工程でほとんどが、散って消えてしまします。適量を使えば、仕上がった染物には残りません。
貴重な青花紙は、カビが生えやすいので乾燥剤を入れて冷蔵庫で保管しています。青花は、必要なぶんだけ切り取り絵皿に置き水を数滴含ませると、花の色より渋い青インクのような色がにじんできます。これを面相筆に馴染ませて使います。あと…醬油に似た匂いがします。仮仕立てしたキモノの白生地に友禅の下絵図を写し描く。また近頃は、青花ペンという化学染料ペンもあるようです。私は、青花を面相に浸して使うやり方が、美しいのですき好きです。
キモノに描くには何日か練習しないといけません。図案どうりに滲まず生き生きとした線で描けるか。真夏の作業は汗が付かない様に気も付けないといけません。生地にもよくないですが、汗が付くと下図が消えてしまいます。和小物をつくる時も同じ作業です。忍耐の工程なのです。
さて、お天気も良く 心地よい風も吹いているコトだし、伸子針を洗わなきゃ。
工房の裏で咲いていた蓮の花です。
小さいサイズの蓮で、花色が鮮やかで花びらが多く八重咲です。
葉っぱも、涼しそうで和みますね~。
まだ、いくつか蕾も出ていて楽しみです。
もう、8月お盆の時季です。
咲きだすと散るのも早そうです。
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厳しい暑さが、しばらく続くようです。
体調を崩されませんようお気を付けてお過ごしください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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