今年の冬は、金沢も工房がある、かほく市も
私が住んでいる富山県も雪が少ないようです。
暖冬ぎみな分 春の訪れが早い気がしますね。
兼六園の梅園でも
早春を告げる梅が見頃。
梅は、金沢市の市の木 前田家の梅鉢の紋章からきていることもあってか 石川県民にとて馴染み深い花のようです。
梅と言えば…
加賀の国 今の金沢に友禅染めが伝わる以前の16世紀ごろに「梅染め」といった梅の樹皮や根を細かく砕いて煎じた液で染めた 赤みの茶色(梅染・赤梅染)とその染めの工程を何度か繰り返して仕上げた黒ぽい茶色(黒梅染)の無地の草木染めの染物が、加賀独特な染色技術として加賀藩の文化奨励政策のもと発展、古きころから梅とは深いご縁があったのです。
因みに この頃の布(麻、絹)の染料は主に藍染(濃紺/青色/薄水色)が主流だったようです。
よくジャパンブルーと聞きますね。
それから17世紀ごろには「兼房染め」(けんぼうぞめ)「色絵」「色絵紋」の色染めの技法が加賀で作り上げる。この中の色絵紋は、家紋の周りを友禅染のよう(一陳糊)に繊細な模様で飾る技法で、これを「加賀紋」と名付け、これらを含め「加賀御国染め」と呼ばれていたとのことです。友禅斎が加賀に招かれる前から、素地が育っていたのですね。
そして、京友禅を大成したと言われる扇絵師 宮崎友禅斎が金沢に招かれ、御国染めを基に斬新なデザインを加え、加賀(金沢)で模様染めを完成させたと伝えられています。実は、この宮崎友禅斎は、とても謎の多い人物ではっきりしたことは、分かっていないとか…。
その後、1856年に海外(イギリス)で化学染料が発見され1862年頃ドイツで様々な色の染料が作り出されると、その最新の染料を使った模様の彩色は多岐に発達し、明治以降は、金沢での梅染めの需要が無くなり天然染料の梅染めは途絶えたそうなのです。
現在、ほとんどの作家さんはこの化学染料を使っていると思います。ですから色も豊富で鮮明です。
あと、意外なことに「加賀友禅」というブランド名は、全国に普及するために昭和に地元問屋が名付けた近代の名称でー、そんなに古くは無いようなんですね。
大陸から渡ってきた梅の木は、古来から老木でも新枝が生れる生命力に寒い時期に清らかな花を咲かせ春を呼ぶとされ、縁起の良い植物と親しまれています。また、一重咲きの花は、5枚の花びらに福、禄、寿、喜、財の五福を意味するそうですよ。
2月最後の昨日
小雨降るなか
自宅 庭、紅梅の木の下に小さな春を見つけました。
蕗の薹の天婦羅に、蕗味噌
生命力あふれる春の香り、苦みが何とも美味しいものです。
最後まで読んで頂きまして ありがとうございました。
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