今年も神様が宿ると伝えられる紅白の鏡餅を工房にお供えしました。
紅白の鏡餅に弁柄色の壁が金沢流ですね。
友禅にとってもち米は大切な材料なんです。
加賀友禅の魅力は、身近な北陸の自然にあります。
それは、自然の風景を写した柄行きだけでなく
染色の技術に欠かせない道具、材料も身近な植物からいただいています。
例えば 友禅の特徴の糸目には、もち米、米ぬかなどが使われています。
糸目糊の材料は、もち米・ぬか・塩・消石灰でこれを十分に蒸して 粘りのある元糊を作ります。これに糊を見やすくする蘇芳を混ぜ、空気を入れないように紙の筒に入れます。先がねの穴が細いため詰まりやすいです。糊づくりは、その日の気温で硬さなど、その都度調節しなくてはなりません。時間と根気が必要な作業です。
下絵の青花(青花は、露草の花びらの絞り汁のこと)に沿って筒からもち糊を絞り出しながら白生地の上に糊を太らないように細くしなやかなラインを描くよう置いていきます。筒先の先金の穴は、わずか0,1mm粘りが強いもち糊を細く美しく絞り出すことは、鍛錬が必要な作業です。
糸目糊は、生きもの その日の状態で微調節が必要です。
その糸目糊が乾くと地入れ(呉汁と呼ぶ豆の絞り汁で地入れすることもあります)をし白生地(絹)に糸目糊を定着させます。次の彩色の工程で染料がにじみ出るのを防ぐ堤防の役目をします。筆や刷毛で絵を描く繊細な色遣いが出来るようになるのです。
この繊細な作業は日本だけの特長です。
友禅という言葉の響きから想像する煌びやかさとは違った
自然との深い関わりと
職人達の鍛錬の積み重ねで友禅は染上がります。
友禅は分業なのです。職人さん達に感謝です。
※ 最近商品の名前に友禅または、加賀友禅と書かれたものが沢山あります。友禅模様のイメージしたい商品なのでしょうか。 しかし、糸目糊の特徴もない植物模様や和模様は、加賀友禅模様と呼ぶより和柄の古典模様と言った方が良いと思います。
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